『女性官僚という生き方』 村木厚子/秋山訓子 編 岩波書店

長時間労働が当たり前とされてきた官僚という職業を選んだ女性たち。さまざまな年代の彼女たちが語る、仕事、家庭、そして子育ては、生き生きと働く女性の活躍こそが社会を変えるカギになるとあらためて思わせてくれる。国家公務員を目指す女性はもちろん、働く女性に読んでほしい1冊。

『心が軽くなる!気持ちのいい伝え方』 森田汐生 著 主婦の友社

自分が本当に伝えたい大切なメッセージをシンプルかつ具体的にわかりやすく伝える。相手との会話のキャッチボールをしながら一緒に問題を解決していく。そんなコミュニケーションのスタイル「アサーティブ」な会話で、対人ストレスを減らし、さわやかな人間関係をつくる。

『夫が亡くなったときに読むお金の本』 内藤浩介著 東洋経済新報社

もし突然、夫が亡くなってしまったら・・・。たとえショックで頭の中が真っ白になっても、葬儀や各種届出、手続き、相続と、現実は押し寄せてくる。煩雑な届出・手続きにお手上げにならないように、誰にとっても必須の知識をシンプルにわかりやすく解説する。もしものときのチェックシート付き。

『永遠のピアノ』 シュ・シャオメイ 著/槌賀七代 監修 大湾宗定他 訳 芸術新聞社   集英社インターナショナル  

前半生を文化大革命に奪われた女性が、40歳で演奏家としてデビューする衝撃的自伝。革命の高揚に著者自身も煽られ、一度はピアノを放棄して再教育収容所での生活を強いられた。「音楽が生きる力を与えてくれた。」中国現代史の重要な証言であると同時に、芸術の意味をも問いかける。

『気仙沼ニッティング物語』 御手洗瑞子 著  新潮社

「なにもないから始めよう」商品も毛糸もない、編み手もいないところから“世界中で一番かっこいい”王道のものを、と震災後の気仙沼で始め、持続的に地域に利益を還元できるまでにビジネスを成長させた著者。日本はもとより世界各地からも注文や見学が殺到している。種まき・芽吹き・苗の成長を経た今、木が大きな森になるよう100年続く会社を目指す物語。

『佐々木靜子からあなたへ』 佐々木靜子 著/『佐々木靜子からあなたへ』編集委員会 編 教育史料出版会

本書は、産婦人科医師であり医療のなかのジェンダー問題と向き合ってきた著者の著述集である。生殖医療技術の進展と患者の選択肢の増加が、必ずしも女性の十全な自己決定権の行使につながっていない現代。著者の遺した言葉は、女性と医療のあるべき関係について改めて考えさせてくれる。

『銀幕のハーストーリー』 松本侑壬子 著 パド・ウイメンズ・オフィス

映画の誕生から今年で120年。映画の中の多種多様な女性の姿をテーマ別に紹介する。「映画の散歩道」のような読み物。「スクリーン(銀幕)は人生の学校です。心に刻まれた感動は消えることなく人生を豊かにしてくれる」と著者。女性の生き方を考える映画女性誌として貴重な一冊。

『男がつらいよー絶望の時代の希望の男性学』 田中俊之著 KADOKAWA

かつて男性の人生は、「卒業・就職・結婚・定年」という一本道が当たり前で、王道でもあった。しかし現在、新たな働き方や価値観を出現によりこの一本道が実現しづらくなっている。増加する「生きづらさ」を感じる男性たちはどうすればよいのか。「男性学」専門家からの提案を示す。

『リオとタケル』 中村安希著 集英社インターナショナル

ゲイのカップルであるリオとタケルは筆者の米国留学時代の憧れの恩師である。演劇界での2人の輝かしい実績と共に、彼らの家族、友人、同僚への3年にわたる取材と本人たちへのインタビューを通して、同性愛か異性愛かということではなく、人として誰をいかに愛するかこそ大切だと説く。

『クリスチアーネの真実』 クリスチアーネ・V・フェリシェリノ著 阿部須美代訳 中央公論社

薬物依存、情緒不安、売春…。本や映画(邦題(『かなしみのクリスチアーネーある非行少女の告白』)となって世界的な注目を集めた少女・クリスチアーネの日記をもとにした回想録。1970年代ドイツで過ごした波乱の10代から現在まで、つらい過去から蘇生への道が語られる。

『私の記録映画人生』 羽田澄子著 岩波現代文庫

60年以上にわたり、古典芸能・美術からの介護・福祉、近現代日本史など幅広いジャンルで記録映画を撮り続けてきた著者の自伝的エッセイ。旧満州に生まれた生い立ちや戦後の引き揚げ、その後の映画製作に携わるまでの88年間の人生における様々な場面の思いが語られる。

『何を恐れるーフェミニズムを生きた女たち』 松井久子編 岩波書店

1970年代ウーマン・リブ運動の発信者、田中美津を始め、編集者、歴史研究者などリブ運動に影響を受けた「女たち」が、それぞれの立場からフェミニズムと半生を語る。仕事と家庭の両立、「慰安婦」など、現代に続く問題と長く格闘してきた彼女たちの言葉に世代を問わず感銘を受ける。