『足をどかしてくれませんか。 メディアは女たちの声を届けているか』林 香里 編

法律や制度は国が作るが、メディアは風土を作ってしまう。メディアは多くの人の意識に与える影響が大きいにもかかわらず、圧倒的に男性優位の業界。相変わらずの「理想の女性」イメージの固定化と氾濫は、時代の変化を反映せず、女たちのリアルな声も消されている。ジャーナリスト、研究者らがメディアのあるべき姿を考える。

『母ふたりで“かぞく”はじめました。』小野 春 著

“何の変哲もないおばちゃん”の著者、中身“おやっさん”のパートナーと、子どもたち。五人家族への道程をテンポよく伝える。親子や友人、周りの人たちとの関係の築き方に暖かさがあり、また「想定外」と、やる気のない国を相手にした「結婚の自由をすべての人に」訴訟の話にはユーモアがある。世を動かした当事者が力みなく伝える日常。

『#ゴミ捨てろ うちの旦那はティッシュをゴミ箱に捨てられない』gomi_sutero 著

「奇想天外」な散らかし方をする夫に、九州弁で爽快にツッコむ妻。日常のちょっとした出来事を切り取ったインスタグラムは、「あるある」「ウチもそう!」と多くの人の共感を呼び、フォロワー数は80万人を超える人気となっている。数々の日用品写真が、日々の「イライラ」を「おもしろい」に変え、家族のあり方を見直すヒントを与えてくれる。

『くつしたパーティ』ティナ・オーケ 作/石津 ちひろ 訳

きょうはリリーのうちでくつしたパーティ。ティナが準備をしていると、おきにいりのくつしたにあながあいてる。「そうだ!みぎとひだりべつべつのくつしたをはけばいいんじゃない?!」歩きだしたティナに向かって、みんなは口々に…。

『旦那がマッチングアプリでやりとりしてる相手は嫁です』もなか 原案/蒼衣 ユノ イラスト・漫画

マッチングアプリで出会い、結婚した二人。嫁は旦那の携帯に届くマッチングアプリからの新着メッセージを見つけ…もしかしてまた浮気?! 証拠を掴むため潜入捜査する嫁にまんまと掛かる旦那。インスタグラムで話題になった実話エッセイ。

『若い女』レオノール・セライユ監督・脚本

10年間同居していた恋人に捨てられたアラサー女子、ポーラ。家もお金も仕事も失い、逆切れキャラの性格が災いして頼れる友もいないのに、自由気ままで奔放。そんな彼女が、生きるためにもがき、あがき、奮闘していくヒューマンストーリー。

『#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム』石川 優実 著

自身が芸能界で経験した性暴力を‘#MeToo’し、そこからフェミニズムを勉強し始めた著者が、職場でのパンプス義務付け反対運動「#KuToo」を展開する。#KuTooへ降りそそぐバックラッシュ実録の内容には驚かされるが、それらに平静かつ真っ当にリプライする著者の姿勢に、強さや運動に対する誠意を感じる。

『ジソウのお仕事 50の物語で考える子ども虐待と児童相談所』青山 さくら/川松 亮 著

痛ましい子どもの虐待事件のたびに取り上げられる「ジソウ」(児童相談所)。そこで働く人たちの日常の思いや葛藤を、児童福祉司の体験から綴った50の物語(ショートストーリー)と各章解説で構成する。表紙に描かれた子どもの強い眼差しが本書に登場する子どもたちのイメージを伝えている。

『からだと性の教科書 世界中の女子が読んだ!』エレン・ストッケン・ダール/ニナ・ブロックマン 著

「残念ながら、自分の性器は謎のかたまりで、しかも恥のもとでしかないと信じている女性はたくさんいます」男性優位の医学界は、女性たちを苦しめている誤った通説を研究しようとしない。ノルウェーの医学生二人が開設したブログ「性器」をもとにした、すべての人へ向けた性に関する教科書。

『ちいさなフェミニスト宣言』デルフィーヌ・ボーヴォワ 著・文/クレール・カンテ イラスト

個性はひとそれぞれ、「女の子らしさ」「男の子らしさ」から「自分らしさ」へ。自分を信じて自由になり、勇気を持って、みんなが平等で生きやすい世界に! 鮮やかな切絵で描かれた子どもたちからのフェミニスト宣言。

『WOMEN 女性たちの世界史大図鑑』ルーシー・ワーズリー 著/ホーリー・ハールバート他 監修

先史から現代まで歴史の中の女性の存在を、広い視野で網羅した世界史図鑑。社会に変化をもたらした偉大なる先人たちによって、今の“当たり前”がある。豊富な写真や絵画から過去を学び、その変化は可能だと改めて知ることができる。

『ニューヨーク 最高の訳あり物件』マルガレーテ・フォン・トロッタ 監督

夫ニックに別れを告げられたジェイド。残された高級アパートメントに、所有権を主張する元妻マリアが戻ってきた。生き方も働き方もぶつかるふたりの共同生活はいつしか共同戦線に。復縁を申し出たニックにジェイドはある条件を示す。